飴玉 赤の広場 きりん  

 

モスクワに赴任して早四年。日本に残してきた息子はもう六歳になる。

最後に遊んだのはまだ二歳の時、きりんの長い首を不思議そうに眺めていた息子、アイスクリームを落として泣いていたのが懐かしい。

そんなことを考えながら今日も会社へ向かう。

赤の広場を横切る途中口に含んでいた飴玉を落としてしまった。

少し涙が出た。