超芸術トマソン
皆さんは街を歩いていて、くそほどいらないなって思う構造物をみたことはありませんか?
例えば、天井に向かって伸びる階段であったり(登っても頭を打って終わり)、ビルの上のほうに設置されたドア(出ようとすれば死ぬ)、自転車置き場などに設置された雨除けにもならないくらい短いヒサシなど。。
このように不動産に保存されている無用の長物を超芸術トマソンと呼びます。
この概念は日本の前衛美術家である赤瀬川原平らによって発見されました。
その語源は野球選手、トマソンから来ており、豪快な空振りを見せるのに関わらず四番バッターを任されたその芸術的なまでのムダさ加減からきていると言われます。
そう、トマソンとはずばり究極のムダなのです!!
しかし、その芸術性は時に人を大きく魅了するのです!
思えば、わたしたちの人生の多くはムダで構成されているような気がいたします。
わたしたちが楽しいと感じるのはバカをやっている時や気の合う仲間とくだらない話で盛り上がりながら酒をかっくらう時ではないでしょうか。(もちろんその他を挙げればキリがありませんが。。)
それらは効率を求める上では完全にムダです。勉強したり、自分磨きに邁進したほうがよほど自分のスキルアップにつながるでしょう。しかし、そればかりに気を取られていてはアタマがパンクしてしまいますね。そんな時に心から笑えるバカ話やムダな話は効率を追い求めるよりも大きく私たちを成長させてくれることがあります。そんなムダな話を友人や彼女とするときのストックとして「トマソン」の概念を頭に叩き込んでやってください!
「この前、住宅街の裏路地を眺めていたら、天井から伸びる、地面まで届いていないハシゴを見つけたんだよ。落ちたらありゃ死ぬよ笑」なんて笑いながら、そのトマソンの写真を見せてやりゃあいいんですよ。もうあなたはコミュニティいちの人気者間違いなしですね。学生なら体育祭の組体操でトップに君臨できますよ。ええ。ゲームや昨日見たテレビ、恋人の話、で盛り上がってるところにいきなり「トマソン」の話をねじ込んでくる奴がいたらそりゃもう尊敬ですよ。なんだこいつ面白いな!トマソンを探しに街に出よう!となるに決まってます。「書を捨てよ、町に出よう」という寺山修司の本がありますが、捨てましょう!(書ですからね。)気の合う仲間を見つけ、街に繰り出しましょう!必ずあなたの成長に欠かせない冒険が待っているでしょう。そして街に隠された「トマソン」を見つけ出し、むだだなあと笑いましょう!
トマソンの魅力って、それは異常なまでのわけのわからなさと暇な時にでも探せる簡単さが大きいんですよね。恋人や好きな人とのデート中に間ができちゃうことってありますよね。ついつい、「さむっ」とか「あっついね今日」とか天気予報士みたいな発言をしがちで先に続かず、お互い、次の一言目はなにがいいだろうか、と悩んでしまいますよね。そんな時に「トマソン探そうよ」と言われたらどうですか?ますます惚れますよね。完全に。
隠れミッキーが見つかった時、すごくうれしいし一緒に行ってる人と共有したい!って思いますよね。それがディズニーに行かなくても出来るのだからこれ以上素晴らしいことはない。至上の一言。
だから大きな壁にぶち当たったり、悩んでる人はぜひトマソンを探しに街に出かけてみてください。春には陽のかおりを感じながら、梅雨には雨に濡れた路地をるんるんと歩きながら、夏には薄着の美女を探しながら、秋には銀杏並木や紅葉に目を向けながら、冬にはイルミネーションで彩られた街路樹の光を浴びながら。きっとその経験はあなたを大きく成長させてくれますよ!